中国輸入のPSE対応ガイド|対象製品の確認方法から取得の全手順まで

目次

「中国から電気製品を仕入れて販売したいけど、PSEマークって何?取得しないと違法になるの?」

中国輸入ビジネスに取り組んでいると、一度は耳にする「PSEマーク」という言葉。モバイルバッテリーやLEDライト、ACアダプターなど、利益率の高い電気製品カテゴリに参入しようとすると、必ずこの壁にぶつかります。

「手続きが面倒そう」「費用が高そう」「法律の話は難しい…」そんな不安から、電気製品の取り扱いを諦めてしまう方も少なくありません。

この記事では、PSE認証取得の経験を持つJT-TRADINGのスタッフの知見も盛り込みながら、電気用品安全法の専門資料や実務経験をもとに、PSEマークの基本から取得手順、費用、違反リスクまでを初心者の方にもわかるように徹底的に解説します。

そもそもPSEマークとは?電気用品安全法の基本を初心者向けに解説

まずはPSEマークの基本知識を押さえましょう。「なんとなく知っている」という状態から、「正確に理解している」というレベルに引き上げることが、安全なビジネスの第一歩です。

PSEマークの意味と電気用品安全法の目的

PSEマークとは、「Product Safety Electrical Appliance & Materials」の略で、日本の電気用品安全法に基づく安全マークです。このマークが付いている電気製品は、日本の安全基準を満たしていることを意味します。

では、なぜこのような法律が存在するのでしょうか。電気用品安全法の目的は、電気製品による「感電」「火災」「傷害」という3つの危険を防止し、消費者の安全を守ることにあります。

ここで重要なのは、技術基準は「最低限の安全要求」であるという点です。電気安全環境研究所(JET)グループの技術基準解説によれば、製造者・輸入者に求められているのは、単に基準値をクリアすることだけではなく、「予見可能な誤使用」まで考慮することです。つまり、「ひょっとしたらユーザーがこんな使い方をするかもしれない」というケースまで想定して安全設計をする必要があるということです。

この考え方を知ると、PSEマークが単なる「お役所仕事の規制」ではなく、消費者を本気で守るための仕組みであることが理解できます。そして、この基準をクリアした製品を販売するということは、それだけ信頼性の高いビジネスを行っている証拠でもあるのです。

ひし形PSEマーク(◇)と丸形PSEマーク(○)の違い

PSEマークには「ひし形(◇PSE)」と「丸形(○PSE)」の2種類があり、対象製品の危険度によって分けられています。この違いを正確に理解しないと、必要な手続きを間違える原因になりますので、しっかり把握しておきましょう。

項目 ひし形PSE(◇PSE) 丸形PSE(○PSE)
正式名称 特定電気用品 特定電気用品以外の電気用品
対象品目数 116品目 341品目
危険度 高い 比較的低い
第三者検査 登録検査機関の適合性検査が必須 不要(自主検査でOK)
代表的な製品例 ACアダプター、電源タップ、電気温水器、電気マッサージ器 LED照明、冷蔵庫、電子レンジ、モバイルバッテリー、扇風機
費用目安 100万〜200万円 数万円〜30万円
取得期間目安 6ヶ月〜1年 1〜3ヶ月

 

特に中国輸入ビジネスで人気のモバイルバッテリーは、2019年2月から電気用品安全法の規制対象になりました。丸形PSE(○PSE)に分類されるため、第三者検査機関の適合性検査は不要ですが、自主検査と事業届出が必要です。

一方、ACアダプターや電源タップなどはひし形PSE(◇PSE)に分類されるため、JETやJQAなどの登録検査機関による適合性検査が義務付けられています。手続きの量も費用も大きく異なりますので、自分が扱いたい商品がどちらに該当するかを最初に確認することが最も重要なステップです。

あなたの商品はPSE対象?判断方法を3ステップで解説

「自分が仕入れたい商品がPSEの対象かどうか分からない」という方は多いでしょう。以下の3ステップで確認してみてください。

  • 【STEP1】電源を使用する製品かどうか確認する:AC電源(コンセント)に接続して使う製品はもちろん、リチウムイオンバッテリーを内蔵する製品、USB充電器やACアダプターが付属する製品も対象になる可能性があります。「電気を使う」製品であれば、まずPSEを疑ってください。
  • 【STEP2】経済産業省のPSE対象品リストで確認する:経済産業省のホームページに掲載されている「電気用品安全法の対象製品一覧」で、該当する品目がないか確認します。合計457品目が20の区分に分類されて掲載されています。
  • 【STEP3】用途・構造・定格を照合して「電気用品名」を特定する:同じ「加湿器」でも、電気ヒーター式なら「電熱器具:湿潤器」、ファン式なら「電動力応用機械器具:電気加湿機」、超音波式なら「電子応用機械器具:超音波加湿機」と、構造によって電気用品名が変わります。定格電圧や消費電力によっても対象範囲が異なるため、正確な特定が必要です。

判断に迷った場合は、独自に判断せずに経済産業省(管轄の経済産業局)やJETなどの検査機関に問い合わせましょう。法解釈に関わるため、専門家への確認が最も確実です。

【要注意】中国輸入で見落としがちなPSEの落とし穴

PSEの基本を理解したところで、次に知っておくべきは「初心者が陥りやすい落とし穴」です。ここを見落とすと、知らないうちに法律違反をしてしまう危険があります。

中国工場の「PSE対応済み」は信用できるのか?

結論から言うと、中国工場が主張する「PSE対応済み」をそのまま信用するのは非常に危険です。

なぜなら、PSEマークは海外の製造者が取得する「認証」ではなく、日本の輸入事業者が法律上の義務を履行した証として自ら表示するものだからです。中国工場がいくら「PSE対応済み」と主張しても、日本側の輸入事業者が事業届出を行い、技術基準への適合を確認し、自主検査を実施しなければ、法的に有効なPSEマークとは認められません。

実際に起きている問題として、以下のようなケースがあります。

  • 中国メーカーが偽のPSEマークを製品に印刷しているケース
  • 中国の安全認証(CCC認証など)を取得しているだけで「PSE対応」と謳っているケース
  • 丸形PSEのみ認識しており、ひし形PSEが必要な製品でも「PSE付き」と主張しているケース
  • 他社が取得した適合証明書を不正に流用しているケース

中国のCCC認証と日本のPSEは全く別の制度です。「PSEマークが製品に印刷されていても、日本の輸入事業者としての届出がなければ違法」という点を、必ず覚えておいてください。

同梱品・付属品のPSE対象に注意!パソコンは非対象でもACアダプターは対象

輸入する製品本体がPSEの対象外であっても、同梱されている部品が対象になるケースがあります。これは初心者が最も見落としやすいポイントの一つです。

たとえば、ノートパソコン本体は電気用品安全法の対象外ですが、パソコンに同梱される以下の部品はすべてPSEの対象となり得ます。

  • ACアダプター(直流電源装置)— ひし形PSE(特定電気用品)
  • 電源コード— 電線類としてPSE対象
  • リチウムイオン蓄電池— 丸形PSE対象(体積エネルギー密度400Wh/L以上のもの)
  • 差込みプラグ— 配線器具としてPSE対象

ただし特例もあります。「汎用性のない電源コードセット」(特定の製品専用で他の機器に使用できないもの)は、機器と一体とみなされるため、機器側の手続きだけで済む場合があります。

また、リチウムイオン蓄電池については法改正が行われ、機器に装着された状態で輸入した場合でも対象となるようになりました。以前は「機器の一部」とみなされていましたが、現在は注意が必要です。

用途・構造で「電気用品名」が変わる!正しい分類の見極め方

電気用品安全法では、製品の一般的な名称(商品名)ではなく、「用途」「構造」「定格」によって電気用品名が決まります。同じように見える製品でも、分類が異なればPSEの手続きも変わる点に注意が必要です。

分かりやすい例として「加湿器」を見てみましょう。

構造・方式 電気用品名 区分
電気ヒーターで水を加熱して加湿 電熱器具:湿潤器 電熱器具
ファンでフィルターに風を送って加湿 電動力応用機械器具:電気加湿機 電動力応用機械器具
超音波振動子で加湿 電子応用機械器具:超音波加湿機 電子応用機械器具

 

このように同じ「加湿器」でも3つの異なる分類になり得ます。さらに、定格電圧(125V以下か超か)や定格消費電力によっても対象範囲が変わります。

また、電気用品の外形を子供向けのキャラクターに変更すると、「電熱式おもちゃ」や「電動式おもちゃ」という特定電気用品に分類が変わる場合もあります。

電気用品名の判断は法解釈に関わる専門的な部分です。独自判断は危険ですので、迷った場合は経済産業省やJET、あるいはPSEに詳しい代行業者に必ず相談しましょう。

PSEマーク取得の全手順|5つのステップをわかりやすく解説

ここからは、実際にPSEマークを取得して製品を販売するまでの5つのステップを順番に解説していきます。全体像を先に掴んでおくことで、「自分が今どの段階にいるのか」が明確になります。

STEP1:経済産業省への事業届出

最初のステップは、経済産業省(管轄の経済産業局)への事業届出です。電気用品の輸入事業を行う場合、事業開始後30日以内に届出をしなければなりません。

事業届出のポイント

  • 届出は「電気用品の区分」ごとに行う(製品モデルごとではない)
  • 届出に必要な情報:事業開始日、電気用品の区分、型式の区分、海外製造事業者の名称・住所
  • 届出は無料で、有効期限もなし
  • 事業開始日より前に届出を行うことはできない
  • 法人格のない日本事務所(海外法人の支店など)は届出不可

ここで重要な概念が「型式の区分」です。これは製品モデル一つ一つを指すのではなく、定格電圧・消費電力・周波数などの要素で分けたグループのことです。たとえば直流電源装置(ACアダプター)の場合、入力側の定格容量が異なれば別の区分になります。つまり、同じシリーズの製品でも定格容量が違えば複数の届出が必要になる場合があります。

STEP2:技術基準への適合確認

2つ目のステップは、輸入する製品が日本の技術基準に適合しているかを確認することです。技術基準の正式名称は「電気用品の技術上の基準を定める省令」といい、電気用品の種類ごとに詳細な安全基準が定められています。

技術基準は大きく2つの体系で構成されています。

  • 別表第一〜第十一:日本独自の基準(国際規格とは異なる)
  • 別表第十二:国際規格(IEC規格)をベースにした基準(約300規格を採用)

初心者の方が押さえるべきポイントとしては、技術基準で主にチェックされるのは以下の安全項目です。

  • 感電防止:充電部への接触防止、絶縁性能、漏えい電流の制限、空間距離・沿面距離の確保
  • 火災防止:過電流・過負荷保護、異常温度上昇試験、電子部品の短絡・開放試験
  • 傷害防止:機械的強度、表示の適正性
  • 電波障害防止:雑音の強さの制限(別表第十)

すでにCEマークやUL認証を取得しており、CBレポート(国際認証の試験報告書)がある場合は、一部の試験項目を省略できる可能性があります。これにより費用と時間を大幅に削減できるため、中国工場にCBレポートの有無を確認することをおすすめします。

ただし、海外のCEマークやULマークがあるからといって、それだけで日本のPSE基準に適合しているとは限りません。あくまで日本独自の技術基準への適合が必要です。実務的には、プロの検査機関に依頼して確認してもらうのが最も確実な方法です。

STEP3:適合性検査を受ける(ひし形PSEのみ)

ひし形PSE(特定電気用品)に該当する製品を輸入する場合、登録検査機関による「適合性検査」を受ける必要があります。これは丸形PSEでは不要なステップです。

登録検査機関とは、経済産業省が認定した検査機関で、国内に7機関、海外に7機関が登録されています。代表的な機関にはJET(電気安全環境研究所)やJQA(日本品質保証機構)などがあります。全品目に対応しているのはJETと中国のCQCの2機関のみです。

適合性検査では、以下の2点が確認されます。

  • 製品の技術基準適合性:実機を使った試験で技術基準への適合を確認
  • 製造工場の検査設備確認:工場が適切な品質管理体制を持っているかを確認

検査に合格すると「適合証明書」が発行されます。輸入事業者は、この適合証明書の副本(原本の写しではなくコピー不可)を保管しなければなりません。適合証明書には有効期間(3年〜7年)が設定されており、期間満了前に更新が必要です。

STEP4:自主検査の実施と記録保管

PSEマークを表示する前に、輸入事業者自身による「自主検査」が義務付けられています。これはひし形・丸形いずれのPSEでも必須のステップです。

自主検査の内容は、PSEの種類によって異なります。

検査項目 ひし形PSE(特定電気用品) 丸形PSE(特定電気用品以外)
製造工程検査 必要 不要
完成品の全数検査 必要(外観・通電・絶縁耐力) 必要(外観・通電・絶縁耐力)
試料検査 必要(ロットごとにサンプル試験) 不要

 

検査の結果は3年間保管する義務があります。記録には品名、型式区分、検査日、検査者氏名、数量、検査方法、および結果を含める必要があります。「検査をやった」だけではなく、「記録として残っている」ことが求められます。

STEP5:PSEマークと届出事業者名の表示

すべての手続きと検査が完了したら、いよいよPSEマークの表示です。これが最後のステップであり、製品を市場に出すための「パスポート」となります。

表示すべき情報

  • PSEマーク(ひし形◇ or 丸形○)
  • 届出事業者名(日本の輸入事業者名)※海外製造者名ではない
  • 登録検査機関名(ひし形PSEのみ)
  • 定格(定格電圧、定格電流、定格消費電力など)

これらの情報は互いに近接して配置するのが原則です。製品本体に表示することが一般的ですが、シール貼付も認められています(容易に剥がれないものに限る)。

特に重要な注意点として、表示する事業者名は「日本の輸入事業者名」でなければなりません。中国の製造者名やブランド名を表示しても法的に有効ではありません。また、略称や登録商標を使用する場合は、別途経済産業省への届出が必要です。

PSE取得にかかる費用と期間|費用シミュレーション付き

「結局、PSEを取得するにはいくらかかるの?」これは中国輸入セラーの皆さんが最も気になるポイントでしょう。ここでは、ひし形・丸形それぞれの費用・期間の目安と、具体的な費用シミュレーションをお伝えします。

ひし形PSE(特定電気用品)の費用・期間の目安

ひし形PSEは、登録検査機関による適合性検査が必須であるため、費用も期間も丸形と比べて大きくなります。

費用項目 目安金額
登録検査機関の試験費用 50万〜150万円
工場検査費用(渡航費含む) 30万〜50万円
書類作成・代行費用 20万〜50万円
合計 100万〜250万円

 

取得期間は、製品の種類や検査機関の混雑状況にもよりますが、おおよそ6ヶ月〜1年が一般的です。サンプルの準備、書類作成、試験、工場検査、証明書発行まで、一つ一つに時間がかかります。

丸形PSE(特定電気用品以外)の費用・期間の目安

丸形PSEは第三者検査機関による適合性検査が不要なため、ひし形と比べてコストを大幅に抑えることが可能です。

方法 費用目安 期間目安
日本の試験機関に依頼 50万〜200万円 2〜4ヶ月
中国の試験機関に依頼 10万〜40万円 1〜2ヶ月
代行業者に一括依頼 30万〜100万円 1〜3ヶ月

 

注目すべきは、中国の試験機関を活用すると費用が日本の1/3〜1/5程度に抑えられる場合があるという点です。ただし、信頼できる試験機関を選ぶことが大前提であり、試験結果が日本の技術基準に準拠していることの確認も必要です。

【費用シミュレーション】モバイルバッテリーをPSE取得して販売する場合

具体的なイメージを持っていただくために、モバイルバッテリー(丸形PSE対象)を中国から仕入れてAmazonで販売するケースをシミュレーションしてみましょう。

シミュレーション条件

  • 仕入れ価格:1個あたり800円(10,000mAh級)
  • PSE取得費用:約30万円(中国試験機関+代行業者利用)
  • 初回仕入れ数:500個
  • Amazon販売価格:2,980円
  • Amazon手数料・FBA費用:約900円/個
項目 金額
仕入れ総額(500個) 400,000円
PSE取得費用 300,000円
送料・関税等 100,000円
初期投資合計 800,000円
販売収益(500個×2,980円) 1,490,000円
Amazon手数料等(500個×900円) 450,000円
粗利益 240,000円(利益率16%)

 

初回の500個では利益率16%ですが、2回目以降はPSE取得費用30万円が不要になるため、利益率は大幅に改善されます。2回目以降の500個あたりの粗利益は約54万円(利益率約36%)となり、PSE取得への初期投資を十分に回収できることが分かります。

PSE取得は「コスト」ではなく「投資」です。この初期投資が参入障壁となって、ライバルが少ない高利益市場を維持してくれるのです。

PSE違反のリスクと罰則|知らなかったでは済まされない

「PSEマークなしで販売したらどうなるのか?」これも多くの方が気になるポイントだと思います。結論から言うと、電気用品安全法違反には非常に厳しい罰則が科されます。

PSEなし販売の罰則一覧

対象 罰則内容
個人 1年以下の懲役 or 100万円以下の罰金(またはその併科)
法人 最高1億円の罰金
行政処分 販売停止命令、回収命令、改善命令

 

「知らなかった」「初心者だから」という言い訳は通用しません。法人の場合は最高1億円の罰金が科される可能性があり、ビジネスそのものが立ち行かなくなるリスクがあります。

経産省の試買検査(市場品買上試験)の実態

「バレなければ大丈夫」と考えるのは非常に危険です。経済産業省は毎年、市場に流通している電気用品を無作為に購入して検査する「試買検査(市場品買上試験)」を実施しています。

この検査で発覚した衝撃的なデータがあります。

  • 技術基準不適合率:37.1%(平成28年度実績)
  • PSE表示不適合率:3.7%
  • 不適合のトップ3:表示(19.0%)、空間距離(16.3%)、アース機構(9.5%)

つまり、市場に出回っている電気用品の約3分の1以上が技術基準を満たしていないという現実です。無作為抽出でこの数字ですから、意図的にPSEを無視している製品を含めると、実際の違反率はさらに高いと考えられます。

流通後規制のエスカレーション|最悪の場合は回収命令

違反が発覚した場合、行政処分は段階的にエスカレートしていきます。初期段階で是正すれば軽い処分で済みますが、対応を怠ると最終的には事業停止に追い込まれます。

  • 報告徴収:経産省から事業者に対して報告を求められる
  • 立入検査:経産省職員が事業所に立ち入り、帳簿・製品を検査
  • 改善命令:技術基準適合や検査体制の改善を命令
  • 表示禁止(=販売不可):PSEマークの表示を禁止される=事実上の販売停止
  • 危険等防止命令(回収命令):すでに販売した製品の回収を命じられる

回収命令まで発展すると、費用負担は莫大になります。PSEを最初からきちんと対応しておくことが、長期的に見て最もコストが低い選択であることは明白です。

PSE以外にも注意!中国輸入の電気製品に関わる法規制

PSEマークだけクリアすれば万全、というわけではありません。中国から電気製品を輸入する際には、PSE以外にも注意すべき法規制がいくつかあります。

技適マーク(電波法)— Bluetooth/Wi-Fi機器は必須

BluetoothやWi-Fiなどの無線機能を搭載した製品は、電波法に基づく「技適マーク(技術基準適合証明)」が必要です。

たとえば、Bluetooth対応のモバイルバッテリーやワイヤレスイヤホン、Wi-Fi搭載のスマートデバイスなどは、PSEマークと技適マークの両方が求められます。技適マークなしで無線機器を販売・使用すると、電波法違反として1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

食品衛生法・PL保険(製造物責任保険)の検討

口に触れる電気製品(電気ケトル、電動歯ブラシ、電気調理器具など)は、食品衛生法の規制も受けます。食品衛生法に基づく届出を行い、検査に合格する必要があります。

また、電気製品全般においてPL保険(製造物責任保険)への加入を強く推奨します。万が一、製品の欠陥が原因で消費者が怪我をしたり財産に損害を受けた場合、「製造物責任法(PL法)」に基づいて賠償責任を負う可能性があります。年間の保険料は売上規模にもよりますが、数万円〜十数万円程度で加入できるケースが多く、リスクに対する備えとしては非常にコストパフォーマンスが高いです。

Amazon出品時のPSE関連書類

Amazonで電気製品を販売する場合、PSE関連の書類提出を求められることが増えています。近年、Amazonは電気用品安全法に関する出品規制を強化しており、以下の書類を準備しておく必要があります。

  • 事業届出書の写し
  • 定格銘板(PSEマーク・事業者名・定格表示)の写真
  • 自主検査記録の写し
  • 適合証明書の写し(ひし形PSEの場合)

PSE対応がAmazon販売の「必須条件」になりつつある現実を踏まえると、早い段階でPSEを取得しておくことが、販路確保の面でも重要な意味を持ちます。

PSEは”壁”じゃない!参入障壁を活かして稼ぐ戦略

ここまでPSEの基本知識、手続き、費用、リスクを解説してきました。「やっぱり大変そうだな…」と感じた方もいるかもしれません。しかし、この「大変さ」こそが、あなたのビジネスを守る最大の武器になります。

ライバルが避けるからこそ利益率が高い「電気製品カテゴリ」

PSEの壁があるため、多くのセラーが電気製品カテゴリへの参入を避けます。結果として、PSEをクリアした事業者には以下のメリットが生まれます。

  • 競合が少ない:PSEを避けるセラーが多いため、価格競争が起きにくい
  • 利益率が高い:参入障壁がある分、適正な利益を維持しやすい
  • 安定収益:PSEは一度取得すれば継続的に使えるため、長期的な収益基盤になる
  • 信頼性向上:PSE取得済みの正規品として、消費者からの信頼度がアップ

PSEの手続きは確かに手間がかかりますが、「正しい知識」と「適切なサポート」があれば十分に超えられるハードルです。そして一度超えてしまえば、そのハードルが他のセラーの参入を防いでくれるのです。

PSE取得済み商品の選び方と中国工場との交渉ポイント

効率よくPSEを取得するためには、工場選びの段階から戦略的に動くことが重要です。

工場選び・交渉のポイント

  • CBレポート保有工場を優先選定:CEマークやUL認証でCBレポートを持っている工場は、PSE取得時に試験項目を一部省略できることがあるので、コストと期間を短縮できます
  • 事前に品質管理体制を確認:ISO9001取得の有無、出荷前検査の体制、不良品率の実績データなどを確認しましょう
  • PSE対応への協力姿勢を確認:工場がPSE取得に協力的かどうかは、事前に「PSE認証の経験はあるか」「技術資料の提供は可能か」「工場検査の受け入れは可能か」と具体的に質問しましょう
  • 複数工場から見積もりを取得:価格だけでなく、品質管理体制やPSE対応力を総合的に比較して選定しましょう

PSEの不安はプロに相談|JT-TRADINGのサポート体制

ここまでの解説で、PSEの全体像はつかめたのではないでしょうか。しかし、「理解はできたけど、実際にやるとなると一人では不安…」という方も多いと思います。そんなときこそ、プロのサポートを頼ることが最も効率的な選択です。

PSE認証取得経験のあるスタッフがあなたの疑問に対応

JT-TRADINGには、実際にPSE認証取得を経験したスタッフが在籍しています。PSEに関する疑問や不安に対して、机上の理論ではなく実務経験に基づいたアドバイスを提供できるのが最大の強みです。

  • 「この製品はPSEの対象になるの?」という基本的な質問
  • 「ひし形と丸形、自分の商品はどっち?」という分類の確認
  • 「費用や期間はどのくらい見込めばいい?」という実務的な見積もり
  • 「中国工場にPSE対応を依頼するにはどうすれば?」という交渉の相談

このような質問に、PSE認証の現場を知っているスタッフが対応いたします。

中国サプライヤーとの連携でPSE取得をサポート

JT-TRADINGは、中国のサプライヤー(工場)と直接連携して、PSE取得をサポートすることが可能です。

PSE取得のプロセスでは、中国工場との技術的なやり取りが不可欠です。技術基準への適合確認、試験サンプルの準備、工場検査への対応など、言語の壁もあり個人で対応するにはハードルが高い部分です。JT-TRADINGでは、これらの工場との調整を含めたトータルサポートが可能です。

JT-TRADINGのPSEサポート

  • PSE対象かどうかの判断サポート
  • 中国サプライヤーとの技術基準確認・仕様調整
  • PSE認証取得に向けた全体プランニング
  • PSE認証取得経験に基づく実務的なアドバイス

一人で悩む前に、まずはJT-TRADINGに気軽にご相談ください。PSEのことが「分からない」から「できそうだ」に変わるお手伝いをいたします。

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よくある質問(FAQ)

個人事業主でもPSEは取得できますか?

はい、個人事業主でもPSE取得は可能です。経済産業省への事業届出は法人格がなくても行えます。ただし、届出は日本国内に住所を有する事業者に限られます。海外在住の場合は、日本国内に法人格のある事業体が必要です。

PSE取得にどのくらいの期間がかかりますか?

丸形PSE(特定電気用品以外)の場合は1〜3ヶ月程度、ひし形PSE(特定電気用品)の場合は6ヶ月〜1年程度が目安です。製品の種類、試験内容の複雑さ、検査機関の混雑状況、中国工場の対応スピードなどによって前後します。余裕を持ったスケジュールで計画することをおすすめします。

中国の工場がPSE対応済みと言っていますが、そのまま信じて大丈夫ですか?

そのまま信じるのは危険です。PSEマークは日本の輸入事業者が事業届出・技術基準適合確認・自主検査などの法的義務を履行して初めて表示できるものです。中国工場が保有するCCC認証や試験報告書は参考にはなりますが、それだけではPSEの法的要件を満たしません。必ず日本側で独自に確認・手続きを行いましょう。

PSEマークが不要な電気製品はありますか?

はい、あります。電気用品安全法の対象は経済産業省が指定した457品目に限られており、それ以外の電気製品はPSEの対象外です。たとえば、パソコン本体、スマートフォン本体、デジタルカメラなどは対象外です。ただし、それらに付属するACアダプターや電源コードは対象になる場合がありますので注意が必要です。

PSE以外に必要な認証はありますか?

製品の種類によって異なります。Bluetooth/Wi-Fi搭載製品は「技適マーク(電波法)」が必要です。口に触れる調理器具は「食品衛生法」の対象となります。また、万が一の製品事故に備えて「PL保険(製造物責任保険)」への加入も強く推奨します。複数の法規制が同時に関わるケースは珍しくありませんので、取り扱う製品ごとに確認しましょう。

まとめ|中国輸入×PSEマークの要点チェックリスト

最後に、この記事の要点を振り返りましょう。PSEマークは決して「壁」ではなく、正しい知識と適切なサポートがあれば超えられるハードルです。そしてそのハードルを超えた先には、ライバルの少ない高利益市場が待っています。

  • PSEマークは電気用品安全法に基づく安全マーク。ひし形(116品目)と丸形(341品目)の2種類がある
  • 中国工場の「PSE対応済み」を鵜呑みにしない。PSEは日本の輸入事業者が自ら対応するもの
  • 同梱品・付属品(ACアダプター・リチウムイオン電池等)も個別にPSE対象になり得る
  • PSE取得は5ステップ:届出→技術基準適合→適合性検査(ひし形のみ)→自主検査→表示
  • 費用はひし形100万〜250万円、丸形は数万円〜30万円が目安
  • 違反すると最高1億円の罰金。市場の37%以上が技術基準不適合という現実
  • PSE以外にも技適マーク、食品衛生法、PL保険への対応も検討が必要
  • PSEの参入障壁=ライバルが少ない高利益市場への入場券

「分からないことがある」「一人では不安」という方は、PSE認証取得経験のあるスタッフが在籍するJT-TRADINGにお気軽にご相談ください。中国サプライヤーとの連携を含め、PSE取得をトータルでサポートいたします。