EXW・FOB・C&F・CIFの違いを徹底比較!インコタームズの基本と実務での選び方ガイド
目次
「見積書に書かれたFOB深圳って、結局どういう意味なんだろう…?」
「EXW、FOB、C&F、CIF…似たような略語が並んでいて、正直どれがどう違うのかわからない」
国際貿易で使われるインコタームズは、「誰がどこまでの費用とリスクを負担するか」を決める国際ルールです。この条件選びを間違えると、数十万円〜数百万円の余計なコストが発生したり、トラブル時に「責任の押し付け合い」に発展することもあります。
この記事では、貿易で最もよく使われるEXW・FOB・C&F(CFR)・CIFの4条件に絞り、以下の内容を徹底解説します。
- 各条件の費用負担・危険負担の違いを比較表で一目で整理
- 中国輸入の具体的なシーンに落とし込んだ実例解説
- 「自分の取引ではどれを選ぶべきか」がわかる選び方ガイド
- 実際に起きたトラブル事例から学ぶ失敗しないコツ
そもそもインコタームズとは?知っておくべき基礎知識
インコタームズ(Incoterms)とは、国際貿易における売主と買主の「費用負担」と「危険負担」の範囲を明確にするための国際ルールです。
正式名称はInternational Commercial Terms(国際商業条件)。パリに本部を持つICC(国際商業会議所)が1936年に初めて制定し、以来、国際取引の現場で「共通言語」として使われ続けています。
インコタームズがあるおかげで、「この費用はどっちが持つの?」「もし貨物が壊れたら誰の責任?」というトラブルを未然に防げるのです。
現在使われている最新版はインコタームズ2020で、全部で11種類の条件が定められています。これらは特徴に応じてE・F・C・Dの4つのグループに分類されます。
| グループ | 特徴 | 含まれる条件 |
| E(出荷) | 売主の負担が最も軽い | EXW |
| F(主要輸送費買主負担) | 売主は輸出国側で引渡し | FCA, FAS, FOB |
| C(主要輸送費売主負担) | 売主が運賃を負担 | CFR(C&F), CIF, CPT, CIP |
| D(到着) | 売主が目的地まで負担 | DAP, DPU, DDP |
ただし、インコタームズは「法律」ではありません。ICCが定めた自主的なルールです。しかし、契約書に「FOB Shanghai Incoterms 2020」のように明記すれば、それが契約条件として効力を持ちます。だからこそ、各条件の意味を正確に理解しておくことが極めて重要なのです。
インコタームズで決まる「2つの境界線」— 費用負担と危険負担
インコタームズを理解する上で最も重要なのが、「2つの境界線」という考え方です。
- 費用負担(Cost):輸送にかかる費用を、どこまで売主が負担するか
- 危険負担(Risk):貨物の破損・紛失などのリスクが、どの時点で売主から買主に移転するか
ここで非常に重要なポイントがあります。
費用負担と危険負担の移転タイミングは、必ずしも同じではありません。
たとえば、後ほど詳しく解説するCIFでは、売主が仕向港までの運賃と保険料を「費用として」負担しますが、「危険(リスク)」は貨物が積込港で船に乗った時点で買主に移転します。つまり、お金は出すけどリスクは負わないという「ズレ」が生じるのです。
この「費用」と「リスク」のズレを理解しているかどうかが、インコタームズを正しく使いこなせるかどうかの分かれ目です!
この2つの境界線を意識しながら、それぞれの条件を見ていきましょう。
EXW(工場渡し)とは? — 売主の負担が最も軽い条件
EXW(Ex Works/イー・エックス・ワークス、またはエクス・ワークス)は、売主の工場や倉庫で貨物を引き渡した時点で、すべての費用と危険が買主に移転する条件です。日本語では「工場渡し」と訳されます。
11種類のインコタームズの中で、売主にとって最も負担が軽い条件であり、逆に買主にとっては最も負担が重い条件です。すべての輸送手段(海上・航空・陸送)に適用可能です。
EXWの費用負担と危険負担の範囲
| 項目 | 売主の責任 | 買主の責任 |
| 貨物の準備 | ✅ 工場で引渡し可能な状態にする | — |
| 工場からの積込み | — | ✅ |
| 輸出通関 | — | ✅ |
| 国際輸送 | — | ✅ |
| 海上保険 | — | ✅ |
| 輸入通関 | — | ✅ |
| 国内配送 | — | ✅ |
わかりやすく言えば、「工場の門の前に置いたから、あとは全部そっちでやってね」という条件です。
EXWのメリット・デメリットと使われる場面
- 売主側:負担が最小限で、価格設定がシンプル
- 買主側:輸送プロセスを完全にコントロールでき、自社に最適な物流を構築できる
- 買主側:輸出国での通関手続きまで買主が行う必要があり、負担が非常に大きい
- 特に中国輸入ではEXWはあまり一般的ではない。理由は、中国国内の輸出通関を外国の買主が手配するのは実務上ハードルが高いため
EXWは、買主が輸出国に拠点を持っている場合や、現地に信頼できるパートナーがいる場合など、かなり限定的なシーンで使われる条件です。中国輸入においては、次に紹介するFOBやCIFを使うケースが圧倒的に多いでしょう。
FOB(本船渡し)とは? — 海上貿易の基本中の基本
FOB(Free On Board/エフ・オー・ビー)は、指定された船積港で本船に貨物を積み込んだ時点で、費用と危険が売主から買主に移転する条件です。日本語では「本船渡し」と訳され、海上貿易で最もよく使われる条件の一つです。
中国のサプライヤーから見積もりをもらうと、「FOB Shenzhen」「FOB Shanghai」のように、FOBの後に港名が記載されているのをよく見かけるはずです。これは「その港で船に積むまではこちら(売主)が責任を持ちますよ」という意味です。

FOBの費用負担と危険負担の範囲
| 項目 | 売主の責任 | 買主の責任 |
| 工場から港までの国内輸送 | ✅ | — |
| 輸出通関 | ✅ | — |
| 船積港での積込費用 | ✅ | — |
| 海上運賃 | — | ✅ |
| 海上保険 | — | ✅ |
| 仕向港での荷揚げ | — | ✅ |
| 輸入通関・関税 | — | ✅ |
| 国内配送 | — | ✅ |
FOBのポイントは、費用負担と危険負担の移転タイミングが同じであること。貨物が本船に積み込まれた瞬間に、費用もリスクも「ここからは買主さん、よろしくね」と切り替わります。この点は、後で紹介するCIFやC&Fとの大きな違いです。
FOBのメリット・デメリットと中国輸入での活用
FOBは、中国輸入において最も一般的に使われる条件です。
- 運送業者・保険会社を自分で選べるため、複数社を比較してコストを最適化できる
- 商品原価と輸送コストを明確に分けられるので、利益計算がしやすい
- トラブル時の責任の所在がシンプル(船に乗る前=売主、船に乗った後=買主)
- 海上輸送・保険の手配を自分で行う必要があるため、貿易経験が浅いとハードルが高い
- フォワーダー(物流業者)との連携が必要で、初めての取引では手間がかかる
中国のサプライヤーの多くは「FOB価格」で見積もりを出す商慣習があります。まずはFOBの理解をしっかり押さえておくことが、中国輸入の第一歩ですね。
C&F / CFR(運賃込み)とは? — 運賃は売主、保険は買主
C&F(CFR:Cost and Freight/コスト・アンド・フレイト)は、売主が仕向港までの海上運賃を負担するが、危険負担はFOBと同じく本船積込時に買主へ移転する条件です。日本語では「運賃込み」と訳されます。
C&FとCFRの関係
「C&F」は旧呼称で、インコタームズ2020では「CFR」が正式表記です。しかし、日本の貿易実務では今でも「C&F」と呼ぶ方が一般的で、見積書にも「C&F」と記載されることが多いです。この記事では両方の表記を併用しますが、意味は同じですのでご安心ください。

C&F(CFR)の費用負担と危険負担の範囲【ここが要注意】
| 項目 | 売主の責任 | 買主の責任 |
| 工場から港までの国内輸送 | ✅ | — |
| 輸出通関 | ✅ | — |
| 船積港での積込費用 | ✅ | — |
| 海上運賃 | ✅ | — |
| 海上保険 | — | ✅ 買主が手配 |
| 仕向港での荷揚げ | — | ✅ |
| 輸入通関・関税 | — | ✅ |
| 国内配送 | — | ✅ |
C&F(CFR)の最大の特徴であり、最も注意すべきポイントは「費用負担」と「危険負担」の移転タイミングにズレがあることです。
- 費用負担:売主が仕向港までの運賃を負担 → 費用の境界は「仕向港」
- 危険負担:貨物が本船に積み込まれた時点で買主に移転 → リスクの境界は「積込港」
わかりやすく言えば、「運賃は仕向港まで出すけど、船に乗った瞬間からリスクは君のもの」ということ。お金は出すけどリスクは負わない、というのがC&Fの特徴です。
C&F(CFR)を使う場面と実務上の注意
C&F(CFR)は、海上運賃は売主に任せたいけど、保険は自分で選びたいという場合に有効です。次に紹介するCIFとの違いは「保険の手配が売主か買主か」という一点だけです。
言い換えると、C&Fでは海上保険を買主が自分で手配しなければなりません。「運賃込みだから安心」と誤解して、保険をかけ忘れると、輸送中の事故で貨物が損傷しても完全に自己負担になります。これは実際に非常に多いトラブルです(後半のトラブル事例で詳しく解説します)。
CIF(運賃・保険料込み)とは? — 買主に最も手間が少ない条件
CIF(Cost, Insurance and Freight/コスト・インシュアランス・アンド・フレイト)は、売主が仕向港までの海上運賃に加え、海上保険料も負担する条件です。日本語では「運賃・保険料込み」と訳されます。
4条件の中では、買主にとって最も手間が少ない条件です。輸送と保険の手配を売主に任せられるため、特に貿易に慣れていない方には安心感があります。

CIFの費用負担と危険負担の範囲
| 項目 | 売主の責任 | 買主の責任 |
| 工場から港までの国内輸送 | ✅ | — |
| 輸出通関 | ✅ | — |
| 船積港での積込費用 | ✅ | — |
| 海上運賃 | ✅ | — |
| 海上保険 | ✅(最低限の補償) | — |
| 仕向港での荷揚げ | — | ✅ |
| 輸入通関・関税 | — | ✅ |
| 国内配送 | — | ✅ |
CIFもC&F(CFR)と同様に、費用負担と危険負担の移転タイミングにズレがあります。売主は仕向港までの運賃と保険料を「費用として」負担しますが、危険(リスク)は貨物が積込港で本船に乗った時点で買主に移転します。
「CIFなら保険も込みだから安心」と思いがちですが、実はリスクは船に乗った時点で買主に移っています。売主が保険をかけてくれているのは事実ですが、その保険が十分かどうかは別の話なんです。
CIFのメリット・デメリットと中国輸入での注意点
- 輸送・保険の手配が不要で、買主側の手続きが大幅に簡素化される
- 初めての輸入で「何をどう手配すればいいかわからない」という方にとって心理的なハードルが低い
- 運賃・保険料が商品価格に上乗せされていることが多く、FOBで自分手配した場合よりコストが高くなりがち
- 売主が手配する保険は最低限の補償(ICC(C)条項)が基本。高額商品や精密機器の場合は補償が不十分になる可能性がある
- 運賃・保険料の内訳が不透明になりやすく、コスト管理がしにくい
ICC(C)条項とは?保険のカバー範囲を詳しく知りたい方へ
海上保険には主に3つのカバー範囲があります。
- ICC(A):オールリスク担保(最も広い補償。盗難・破損・水濡れなどほぼすべてカバー)
- ICC(B):中間的な補償(地震・津波・流失などの重大事故をカバー)
- ICC(C):最低限の補償(火災・沈没・座礁などの重大事故のみカバー。破損・盗難は対象外)
CIFで売主が手配する保険は原則ICC(C)です。精密機器や高額商品を輸入する場合は、売主にICC(A)への変更を交渉するか、買主側で追加保険を手配することをおすすめします。
【一目でわかる】EXW・FOB・C&F・CIFの違いを徹底比較
ここまで個別に解説してきた4条件を、一覧表で整理しましょう。横に並べて比較することで、それぞれの違いがよりクリアに見えてきます。
| 比較項目 | EXW | FOB | C&F(CFR) | CIF |
| 日本語名 | 工場渡し | 本船渡し | 運賃込み | 運賃・保険料込み |
| 費用負担の境界 | 工場・倉庫 | 積込港(本船) | 仕向港 | 仕向港 |
| 危険負担の境界 | 工場・倉庫 | 積込港(本船) | 積込港(本船) | 積込港(本船) |
| 輸出通関 | 買主 | 売主 | 売主 | 売主 |
| 海上運賃 | 買主 | 買主 | 売主 | 売主 |
| 海上保険 | 買主 | 買主 | 買主 | 売主 |
| 輸入通関 | 買主 | 買主 | 買主 | 買主 |
| 適用輸送 | 全輸送手段 | 海上のみ | 海上のみ | 海上のみ |
| 売主負担度 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
- 費用と危険のズレに注意:C&F・CIFでは費用の境界は「仕向港」だが、危険の境界は「積込港」。この違いを知っているだけで、多くのトラブルを防げます
- C&Fの海上保険に注意:C&Fだけは海上保険が買主の責任。「運賃込み」の名前に惑わされないこと
あなたの取引に最適なのはどれ?インコタームズの賢い選び方
4条件の違いは理解できた。でも、「結局、自分の取引ではどの条件を選べばいいの?」
ここからは、このような疑問に答えるべく、中国からの輸入を想定して、状況別の最適な選び方を解説します。
中国輸入でFOBを選ぶべきケース
FOBは中国輸入で最もスタンダードな条件です。以下に当てはまる方はFOBを選ぶのがおすすめです。
- ✅ 輸送コストを自分でコントロールしたい(複数のフォワーダーから見積もりを取って最安値を選びたい)
- ✅ 信頼できるフォワーダー(物流業者)がすでにいる、または自社で手配できる
- ✅ 取引量がある程度まとまっている(スケールメリットで運賃を交渉できる)
- ✅ 商品原価と輸送費を明確に分けて利益計算したい
中国輸入でCIFを選ぶべきケース
CIFは、輸送の手配に不慣れな方や、小ロットの取引に向いています。
- ✅ 初めての輸入で、輸送や保険の手配に不安がある
- ✅ 少量の輸入で、個別にフォワーダーを手配するとかえってコスト高になる
- ✅ サプライヤーが物流に強い(自社で安い輸送ルートを持っている場合)
EXWやC&Fが選ばれるケース
EXWは、買主が中国現地に拠点やパートナーを持っているケースなど、かなり特殊な場面で使われます。一般的な中国輸入ではほとんど使うことはありません。
C&F(CFR)は、運賃は売主に任せたいが保険だけは自分の信頼する保険会社で手配したいという中上級者向けの選択です。すでに有利な保険プランを持っている企業に向いています。
判断に迷ったら?プロの力を借りるという選択肢
インコタームズの選定は、取引全体のコストとリスクに直結する重要な経営判断です。特に中国からの輸入では、現地の商慣習・物流事情・品質管理など、考慮すべき要素が多岐にわたります。
「自分の取引にはどの条件が最適なのか、やっぱり自信が持てない…」という方は、中国輸入の専門家に相談するのも賢い選択です。
たとえば、中国輸入代行・調達支援の専門企業JT TRADINGのような会社では、インコタームズの選定から通関手続き、現地工場の品質管理まで一括でサポートしてくれます。
日本語・中国語・英語のトリリンガル対応で、現地サプライヤーとの交渉もスムーズ。「初めての中国輸入で何から始めればいいかわからない」という方にとって、心強いパートナーになってくれるはずです。
【実例で学ぶ】インコタームズ選びで起きたトラブルと対策
ここからは、実際の貿易現場で起こりうるトラブル事例を通して、インコタームズの理解をさらに深めていきましょう。
事例①:CIFで安心していたら保険が不十分だった
状況:あるメーカーが中国から精密な電子部品をCIF条件で輸入しました。「CIFだから保険も込み。安心だ」と考え、保険の内容を特に確認していませんでした。ところが、輸送中にコンテナ内で結露が発生し、部品の一部が腐食。損害額は約200万円に。
問題:売主が付保していた保険はICC(C)条項(最低限の補償)。ICC(C)では結露による腐食は補償対象外でした。結果、200万円は全額が買い手の自己負担に。
「CIF=保険込みだから安心」は大きな誤解です。CIFの保険は最低限が基本。保険の補償範囲(ICC条項のグレード)を必ず確認し、必要に応じて追加保険を交渉しましょう。
事例②:FOBで輸入したが、船積み前のトラブルで困惑
状況:中小企業の社長がFOB上海で家具を発注。ところが、中国国内の工場から上海港への輸送中にトラックが事故を起こし、家具の一部が破損。FOBでは船積み前は売主の責任範囲のはずですが、売主は「うちの管理外の事故だから責任は取れない」と主張。
事例③:C&Fで保険をかけ忘れて大損失
状況:個人事業主がC&F(CFR)条件で中国からアパレル商品を輸入。「C&F=運賃込みだから、輸送関係は全部カバーされている」と誤解し、海上保険を自分で手配するのを忘れてしまいました。輸送中に台風で船が傾き、コンテナ内の商品が水濡れ。損害額は80万円に。
問題:C&F(CFR)では海上保険は買主が自分で手配する責任があります。保険未加入のため、80万円の損害は全額自己負担。事業の資金繰りにも深刻な影響が出ました。
トラブルを防ぐための3つの鉄則
上記の事例から学べる教訓をまとめます。
- 鉄則①:契約書にインコタームズのバージョン・具体的な受渡場所を明記する
「FOB」だけでなく「FOB Shenzhen Incoterms 2020」のように、バージョンと港名を必ず記載しましょう。トラブル時の対応手順も併記する - 鉄則②:保険の手配と補償範囲を必ず事前確認する
C&Fでは必ず自分で保険を手配。CIFでも保険のグレード(ICC条項)を確認し、不十分なら追加保険を検討する - 鉄則③:不安があれば専門家(輸入代行・フォワーダー)に相談する
特に初めての輸入や高額取引では、プロのサポートがトラブル防止に直結する
中国輸入に精通した輸入代行の専門家なら、インコタームズの選定はもちろん、契約書のチェック、保険の手配、現地工場の品質管理まで、トラブルを未然に防ぐためのサポートを受けられます。
インコタームズに関するよくある質問(FAQ)
最後に、インコタームズについてよく寄せられる質問にお答えします。
C&FとCFRは何が違うの?
意味は全く同じです。C&Fは旧呼称で、インコタームズ2020ではCFR(Cost and Freight)が正式表記になっています。ただし、日本の貿易実務では「C&F」の方が根強く使われており、見積書でもC&F表記が一般的です。どちらの表記を見ても、同じ条件を指していると理解してください。
コンテナ輸送でもFOBやCIFは使える?
実務上は広く使われていますが、厳密にはインコタームズ2020はFOBやCIFを「在来船(バラ積み)」を前提とした条件と位置付けています。コンテナ輸送の場合、ICCが推奨するのはFCA(Free Carrier)やCIP(Carriage and Insurance Paid to)です。ただし現実には、コンテナ輸送でもFOB・CIFが多用されています。コンテナ輸送でFOBを使う場合は、コンテナヤード内での責任範囲を契約書で明確にしておくことが重要です。
インコタームズは法律ですか?
いいえ、法律ではありません。インコタームズはICC(国際商業会議所)が定めた自主的な国際ルールです。しかし、契約書に「FOB Shanghai Incoterms 2020」のように明記すれば、それが契約条件として法的効力を持ちます。逆に言えば、契約書に記載しなければインコタームズは適用されません。
FOBとCIF、どちらが安くなりますか?
一概には言えません。FOBで自分で輸送・保険を手配した方がトータルコストは安くなるケースが多いです。理由は、CIFでは売主が運賃や保険料を上乗せしていることがあるためです。ただし、少量輸入でフォワーダーに個別手配すると割高になる場合や、売主が有利な運賃ルートを持っている場合は、CIFの方がお得になることもあります。取引量や状況に応じた判断が必要です。
中国輸入で一番おすすめのインコタームズは?
多くの場合FOBが最もスタンダードで、中国輸入代行業者でもFOBを推奨しているケースが多いです。ただし、初めての輸入で輸送手配に不安がある方はCIFも有効です。最適な条件は取引内容・経験値・取引量によって異なるため、迷った場合は中国輸入の専門家に相談することをおすすめします。
まとめ ─ インコタームズを味方につけて、自信ある取引を
この記事では、国際貿易で最もよく使われるEXW・FOB・C&F(CFR)・CIFの4つのインコタームズについて、違い・使い分け・トラブル事例まで徹底解説してきました。
最後に、4条件の違いを超シンプルに振り返りましょう。
- EXW:売主は工場で渡すだけ。あとは全部買主。
- FOB:売主が船に積むまで責任。そこから先は買主。
- C&F(CFR):運賃は売主が出す。でも保険とリスクは買主。
- CIF:運賃も保険料も売主が出す。でもリスクは船に乗った時点で買主。
インコタームズは、「知っている」だけでは不十分です。大切なのは、自分の取引に最適な条件を、自信を持って「選べる」ようになることです。
もし、「中国からの輸入を始めたいけど、インコタームズの選定から通関手続きまで不安だらけ…」という方は、中国輸入代行・調達支援の専門家の力を借りることも検討してみてください。
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