中国輸入に必要な知識 円安、円高について

円安や円高って、やっぱり輸入ビジネスでは大切なことです。

前言

「円安」や「円高」という言葉を耳にされたことがあるという方は多いと思います。簡単に言えば、「お金の価値が他の通貨に較べて、高い・低い」とった状態のことを言います。輸入や輸出に深く関係するもので、身近な生活にも大きな影響がありますが、ビジネスをする場合、特に輸出や輸入が関係する場合には、とても重要なものになります。今回は、円安や円高、そして為替の変動について見ていきます。

 

○円安や円高とは、為替・為替の変動とは

 円安や円高というのは、先ほども少しだけ説明しましたが、円が他の国の通貨、例えば、ドルやユーロ、元といった諸外国の通貨に対して、どれぐらいの値打ちがあるのかということを表す言葉です。円高とは価値が高くなっている状態、円安とは価値が下がっている状態のことです。

 最もポピュラーな通貨であるドルを例にとると、1ドル100円と1ドル110円を較べると、100円の方が円高、110円の方が円安となります。

 世界中が同じ通貨を使って、それでモノやサービスの売り買い、支払いをしているような状態では、このようなことは起きないのですが、それぞれの国や地域で使っている通貨が違うためにこのようなことが起き、問題となってきます。いくらドルを持っていても、ドルのままでは日本の国内で支払いや決済をすることはできないですよね。実際に使う場合には円に変える必要があります。だから、円高や円安というのが大きな問題となってくるのです。

 通貨の値打ちは上がったり下がったりするということを、円高や円安ということを通じてお話しましたが、直接お金のやり取りをせずに決済することを為替といい、その交換レートのことを為替レートといったりします。海外と取引をする場合は、お金のやり取りをすることは、まずありません。ですから、ニュースなどで為替や為替レートの変動について報道されることがありますが、中身はこのような、それぞれの通貨の交換レートの変動ということになります。

 為替が変動する直接的な原因は、それぞれの国での利率や景気動向といったものがありますが、簡単に言えば国力、国の状況といってもいいでしょう。何か問題がある国の通貨というのは、相対的に安くなっていきます。

○為替変動の中国からの輸入ビジネスの場合に対する影響は?

 中国でOEMで製造を行って輸入するビジネスをする場合は、為替の変動というのは大変大切なものとなってきます。同じものを作って、輸入して、販売しても利益が出たり、出なかったりすることに繋がっていきます。例えば、中国である製品を作って、輸入するための費用、1個あたりの原価が100元だったとします。これを輸入して、2,000円で販売したとします。このケースを例にとって、円高、円安の輸入ビジネスにおける影響に対して見ていきます。仮りに、円高を1元10円、円安の状態を1元20円としておきます。なお、わかりやすいように日本国内で発生した輸送等を含む諸々の費用は除きます。

 ・円高になった場合

  中国の通貨元に対して、円高になった場合、輸入ビジネスに関してはプラス材料となります。

  製品を手元にするまでにかかった費用、原価が100元ということは、為替レートが1元10円ならば1,000円ということになります。これを2,000円で販売すれば、差し引き1,000円の利益が出ることになります。

 ・円安になった場合

  次に円安の場合として、1元が20円だとします。この場合の原価は100×20=2,000円になります。つまり、2,000円で販売しても、利益が出ないことになります。

 このように円安になればなるほど、海外でモノを作って輸入することの意味がなくなっていくということです。逆に日本から海外への輸出の方が利益が出やすくなります。

 ちなみに人民元の為替レートを見てみると、最も高い時期で20円近く、安い時期で15円を割り込んだことがあるというぐらいの大きな幅があります。

○中国からの輸入ビジネスで為替レートの影響を抑えるには?

 為替レートの変動が中国からの輸入ビジネスに大きな影響があるということをお話しましたが、では、それを踏まえてビジネスを展開していくにはどのようにすればいいのでしょうか。いくつかのポイントをあげておきます。

 ・競争力の高い商品を開発、製造販売する。

  競争力のない商品は、販売価格でしか競争することができませんから、為替の変動による原価の上昇の影響を受けやすくなりますから、販売価格の決定にイニシャティブが持てるような競争力のあるオリジナル製品を製造することは、リスクを低下させることに繋がります。

 ・為替レートの変動があるという前提で、OEM、そして輸入を行う。

  OEMの規模や予定、支払い条件等、為替の大きな変動があっても大丈夫なようにビジネスを組み立てていくこと必要があります。

まとめ

円高や円安といった為替の変動に対する中国からの輸入ビジネスの影響について見てきました。勿論、為替の予想などは、プロでも難しいものがありますから、リスクがなくなることはありません。しかし、リスクを下げる方法というのは存在しますし、何よりそのようなリスクがあるということを知った上で、ビジネスをする必要があります。私達、JT TRADINGでは、そのようなことも踏まえて、あなたの中国からの輸入ビジネスのお供をさせていただきますので、まずはご相談ください。