前言

オリジナル製品を製造して販売する場合は、サンプルの役割については、勿論、多くの方に理解していただいていると思います。せっかく、企画したアイデアがうまく製品化されているかどうかを事前に知っておくことは当たり前のことですよね。「そんなこと今更いわれなくても、」という感じかもしれません。しかし、中国でOEMでオリジナル製品の製造を行う場合では、例えば日本の工場で製造する時以上に、このサンプルが大きな役割を果たすことになります。今回は、そんな中国でOEMを行う場合のサンプル乗用性について見ていきます。

 

○サンプルの一般的な役割、重要性は？

　サンプルの役割については、今更感があることかもしれませんが、主に次のようなものがあげられます。

　・出来上がりの製品の仕様が発注通りになっているか？

　・事前のイメージが再現できているか？

　・不具合や改良点はないか？

　・周囲の反応を確かめる。

　・事前に撮影をしたり、PRをするのに使う。

　簡単な製品でも、あるいは細かい部分まできっちり示して発注をしても、案外、こちらの意図と違っていたりする場合があったり、こちらが忘れていたり工場側のミスなどもありますから、やはりサンプルは大切なものになってきます。

○中国のOEMでサンプルが特に大切な理由は？

　サンプルの役割等については、皆さんがご承知の通りだったと思いますが、では、何故、中国のOEMの場合は、なおさら重要になってくるのでしょうか。それは、製造現場、工場における認識や商習慣や考え方の違いといったものが根本にあります。具体的には、次のようなものです。

　・そもそも発注していたものと違う仕様のものだった。

　・こちらでは当然と思って指示していなかったことがなされていない。

　・確かに仕様通りかもしれないが、イメージとかけ離れたレベルのものが出来上がってきた。

　・使われている材料が粗雑なものだった。

　近代化がなされ、世界の製造工場と呼ばれるようになった中国ですから、昔に比べれば、随分とマシになったと言われていますが、やはり日本の工場と同じようにいかないところがあります。

　そして、中国の工場では、発注後の細かい変更等には応じてくれないことも多いのです。ですから、中国でOEMでオリジナル製品の製造を行う場合には、なおさらサンプルを徹底的にチェックする必要があるのです。「言わなくても大丈夫だろう。」とか「後からでも何とかなるだろう。」というのは大変危険な考え方です。

○サンプルをチェックする際に大切なことは？うまく取引を進めるためには？

　サンプルの役割や重要性について書いてきましたが、実際にサンプルを貰う場合には、このような点に十分注意して、妥協しては取返しのつかないことになります。また、これから製造工場を決めていく段階ならば、候補となっているすべての工場からサンプルを貰うのがベストです。値段や条件だけで決めるのではなく、サンプル品のクオリティーやその際のやり取りなども含めて、発注先を決めた方がいいでしょう。また、簡単な製品だからとか、細かい仕様を指示しているからといったことで、サンプルチェックを省いたりはしないようにしてください。

中国でOEMを行う場合のサンプルの重要性等について見て来ました。サンプルは最終的な製品の出来不出来にかかわるもので、それが売れ行きにも直結します。しかし、サンプルの提出1つをとっても、やはり中国の工場との交渉が大切になってきます。ビジネスを成功に導くためにも、サンプルにまつわる交渉も私達JT　TRADINGにお任せください。納得していただけるような取引を実現させます。